Firefox ブラウザー と Opera は、早期に登場したブラウザーで、現在も頻繁に更新をリリースしています。Opera は、Firefox や Google Chrome ほど普及していないものの、長期にわたって比較的安定的に支持されています。このレビューでは、セキュリティとプライバシー、実用性、ポータブル性の観点から、Opera と Firefox を比較し、最適なブラウザーを選択するためのガイドを提供します。

セキュリティとプライバシー
セキュリティとプライバシー | ![]() |
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プライベートブラウジングモード | ||
既定でサードパーティトラッキング Cookie をブロック | ||
暗号通貨マイニングスクリプトをブロック | ||
ソーシャルトラッカーをブロック |
Opera のプライバシーポリシーは、収集する情報の種類とその方法について、説明の具体性に欠く部分があります。一部のセクションでは、アカウント所有者の名前、IP アドレス、検索用語を収集すると記述しています。混乱と問題があるのは、国際的なデータ転送に関するセクションです。ユーザーのデータを国際的に転送する状況、頻度、理由が説明されていません。
Firefox のプライバシーポリシーは、収集する情報について透明性の高い説明をしており、唯一の目的は、ユーザーがオンラインで共有する情報についてユーザー自身がより管理できるようにすることです。
Opera ブラウザーでの実際のプライバシー保護については、ブラウザーから活動を追跡されることなくウェブを閲覧できる堅牢なプライベートモードを提供しています。また、通常のブラウジングモードでは、設定を掘り下げて広告ブロッカーを有効にし、他のセキュリティ機能を調整することで、一部のデータ収集機能をオフにできます。
Firefox の最新バージョンでは、強化型トラッキング防止が既定でオンになっているため、トラッカーから身を守るために設定をいじる必要がありません。強化型トラッキング防止では、ウェブ上でユーザーにつきまとう何千ものサードパーティトラッカーを Firefox がアクティブにブロックします。ウェブ閲覧時に、Firefox がサードパーティ Cookie やソーシャルメディアトラッカー、フィンガープリント採取ツール、暗号通貨採掘をブロックする頻度を示します。
Firefox は、個人のプライバシーとセキュリティを気にかけるユーザーのために開発されました。そのため、ユーザーに関する情報はほぼ収集せず、収集する情報の用途は透明に明記しています。Opera の場合、プライバシーの観点からどのように運用されているかを知るのは困難です。堅牢なプライバシー機能を揃えているものの、開発元自身がデータをどのように収集、共有しているかについては不透明です。Firefox は、ユーザーのプライバシー保護について、一貫した主張と行動を通しています。
ユーティリティ
ユーティリティ | ![]() |
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自動再生をブロック | ||
タブブラウジング | ||
ブックマークマネージャー | ||
フォームに自動的に入力 | ||
検索エンジンのオプション | ||
テキスト読み上げ | ||
リーダーモード | ||
スペルチェック | ||
ウェブ拡張機能/アドオン | ||
ブラウザー内スクリーンショットツール |
Opera がクリーンなユーザーインターフェイスと強力なカスタマイズオプションを備えた機能満載のブラウザーであることは確かです。Opera は Chromium で構築されているため、Google Chrome の膨大な拡張機能のライブラリの大部分を利用できます。Firefox でも大規模な拡張機能のライブラリをブラウズできますが、Chrome には及びません。
Firefox と同様、Opera はスクロールタブを採用しています。画面に収まらない数のタブを開くと、縮小していくのではなく、画面の外にスクロールします。また、Firefox と Opera の両方がスクリーンショットツールを備え、画面またはページの一部をキャプチャできます。ただし、Opera のツールの場合、キャプチャできるのは見えている部分だけで、ウェブページ全体を 1 つの大きなキャプチャにする機能はありません。
Opera は、シンプルで管理しやすいインターフェイスの中に多数のユーティリティを秘めています。例えば、Facebook Messenger などのメッセージングアプリのサポートを内蔵しています。選択したサイトやニュースメディアからの記事を集めるニュースリーダーもあります。Firefox の同様の機能は Pocket といいます。Pocket は Firefox アカウントを所有しているユーザー向けの無料サービスで、ウェブのあらゆる場所から気になる記事や動画を簡単に見つけて保存できます。また、人力で丁寧に選定したさまざまな記事をお勧めし、知識を拡大できます。
Opera と Firefox は、実用性の比較では拮抗します。Opera は、Chrome の膨大な拡張機能のライブラリとの互換性とアクセスという部分では優位かもしれません。ただし、留意すべき点として、Opera は Chromium で構築されているため、CPU 使用量が多いことで知られる Chrome と同じく RAM を大量に消費し、プロセッサーに負荷をかけるブラウザーとなっています。
ポータビリティ
ポータビリティ | ![]() |
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OS 対応 | ||
モバイル OS 対応 | ||
モバイルと同期 | ||
パスワード管理 | ||
プライマリパスワード |
Firefox も Opera も、Windows、macOS、Linux、Android、iOS などすべてのプラットフォームに準拠しています。Firefox アカウントを所有しているユーザーは、サインインしているすべてのデバイスでブックマーク、パスワード、開いているタブ、閲覧履歴を簡単に同期できます。Opera アカウントでも同様の機能を利用できます。ただし、多くのサイト、特に何年も更新されていない古いサイトでは、Opera の最新バージョンが完全にブロックされます。したがって、昔の友人の古いブログなどを重要視する場合、Opera を利用していると、放置されたサイトにはアクセスできない可能性があるのでご注意ください。
Opera には、通常のモバイルアプリ以外に「Touch」と「Mini」という 2 つのモバイル版があります。Touch は機能が軽く、外出先で片手で使えるように設計されています。Mini は、画像の解像度を下げ、コンテンツを削減することにより、データ使用量を抑え、低速回線での速度を上げることを目的としています。 Firefox のモバイルアプリでも、実験的ながら追加のバージョンを公開しています。速度とセキュリティを重視した「Firefox Preview 」です。
最近の主要ブラウザーは、Safari を除いてほとんどがプラットフォームとブラウザー間でシームレスに動作します。Opera と Firefox も例外ではなく、両方ともすべてのデバイスでのポータブル性が優れています。
全体的な評価
全体的に、Opera はクリーンなインターフェイスと便利な機能を多数備えた堅牢なブラウザーです。ただし、いくつかの重大なプライバシーの懸念のほか、処理能力を浪費するという問題があります。Opera にはとても使いやすい機能があるものの、パフォーマンスや透明なユーザープライバシー方針、厳格なプライバシー保護の観点から、Firefox がブラウザーとして優位であると考えています。
ここで実施された比較は、初期設定で以下のブラウザーリリースバージョンを使用しています。
Firefox (81) |
Opera (67)
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