Mac または iPhone をお使いの方は、Safari ウェブブラウザーがおなじみのはずです。Apple の既定のブラウザーとしてプリインストールされていることで優位性が与えられていますが、Firefox にも便利な機能があり、代替として魅力的であるといえます。そしてこれを Mac および iPhone の既定のブラウザーに設定できるようになりました。ここでは、プライバシー、実用性、デバイス間のポータブル性から Safari と Firefox を比較します。

セキュリティとプライバシー
セキュリティとプライバシー | ![]() |
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プライベートブラウジングモード | ||
既定でサードパーティトラッキング Cookie をブロック | ||
暗号通貨マイニングスクリプトをブロック | ||
ソーシャルトラッカーをブロック |
データ侵害や広告トラッカー、ハッカーといったものにユーザーの警戒感が高まっていることを受けて、プライバシーはハイテク企業にとって注目のトピックとなっています。ただし、実際のインターウェブを操作するユーザーが利用するツールについては、企業は口だけなのでしょうか、それとも本当にユーザーのデータを守るための措置をとっているのでしょうか。
以前に示唆したように、Apple は最近プライバシー保護を強化する決定をした企業の一つです。Apple は、最近 Safari にクロスサイト追跡防止を実装したことで、広告がインターネット上でユーザーにつきまとうことを阻止します。また、Safari は、あらゆるウェブサイトで新しいアカウントを登録する際に強力なパスワードを提案します。iCloud エコシステムに投資している場合は、そのパスワードを他のデバイスと安全に同期するため、記憶する必要がありません。
Firefox は、Safari と同様に、プライバシーとセキュリティを重視しています。Firefox が Safari と違うのは、プライバシーを長年守り続けているところです。Mozilla (開発元) は、テクノロジーコミュニティでオンラインプライバシーの注意喚起をした先駆け的存在です。
プライベートブラウジングモードは、トラッカーをブロックし、閉じるたびにパスワード、Cookie、履歴を消去します。通常のブラウジングモードでも、高度なプライバシー機能を利用できます。Firefox の最新版では、拡張トラッキング防止機能が既定でオンになっています。ウェブ上でクロスサイトトラッカーなどからつきまとわれなくします。また、Facebook が毎日のようにプライバシーの問題を起こしているなか、Facebook Container 拡張機能が役に立ちます。ウェブ上で Facebook から追跡されにくくします。Safari のクロスサイト追跡を防ぐ機能と似ていますが、Firefox は Facebook のセッションを別のコンテナーに分離して、ユーザーが他のサイトで行う操作を Facebook から追跡されないようブロックします。ユーザーが医療情報サイトで調べている内容など、Facebook には関係のないことです。
Firefox は、セキュリティもしっかりと守ります。Firefox を利用しているとき、パスワードフィールドを右クリックすると、パスワードの入力オプションで強力なパスワードを安全に生成できます。新しいパスワードを保存すると、内蔵のパスワードマネージャー「Lockwise」に保存するプロンプトが表示されます。また、「Monitor」という無料のプロダクトがユーザーおよびアカウント所有者の役に立ちます。ユーザーのデータが既知のデータ漏洩に巻き込まれている場合に自動的に警告します。
Safari を利用する場合、Apple デバイスであれば安全に保護されます。ただし、Safari は Apple デバイスにのみ対応しています。一方の Firefox は、Windows、macOS、iOS、Android、Linux もサポートしています。つまり、Firefox は、選択した OS を問わず、セキュリティとプライバシーを守ります。
ユーティリティ
ユーティリティ | ![]() |
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自動再生をブロック | ||
タブブラウジング | ||
ブックマークマネージャー | ||
フォームに自動的に入力 | ||
検索エンジンのオプション | ||
テキスト読み上げ | ||
リーダーモード | ||
スペルチェック | ||
ウェブ拡張機能/アドオン | ||
ブラウザー内スクリーンショットツール |
Apple は、専用ソフトウェアを開発し、閉鎖的なエコシステムを作っていることで知られています。それでも、App Store を見てみると、デベロッパーがブラウザーをより堅牢にするためのプラグインやアドオンを開発できるセクションを提供しています。これらの拡張機能は、App Store からブラウズでき、簡単に Safari に追加できます。
タブブラウジングやプライベートブラウジングなど、ブラウザーおなじみの機能のほか、Safari には意外な機能もあります。例えば、Safari でページ内の適当な単語を右クリックし、[調べる] をクリックすると、辞書の定義に加えて、類義語辞典、App Store、映画などの結果が表示されます。Safari のペアレンタルコントロールはカスタマイズしやすく、お子様がインターネットに興味を持つようになっても親御様は少し安心です。
Firefox は、Safari と同じく、熱意あるデベロッパーコミュニティがブラウザー用のアドオンや拡張機能を開発することを奨励しています。Firefox のプラットフォームはオープンソースであるため、豊富な機能性を追加できます。
また、Firefox アカウントに登録すると、ブラウザーに直接統合された Pocket など独自のサービスにアクセスできます。Firefox 用 Pocket ボタンを使用すると、ワンクリックでウェブページや動画を Pocket に保存できるため、いつでもどこでも、オフラインでもクリーンで妨害のないバージョンを閲覧できます。Firefox は、ビデオ・オーディオにも最適です。ブラウザーに直接組み込まれ、自動的にオンになっている自動再生ブロックにより、ウェブサイトが突然大きな音を出すことはありません。
スクリーンショットも Firefox ブラウザーに直接組み込まれている人気の機能で、画面の画像を簡単にキャプチャできます。スクリーンショットを撮るとき、ファイルをコピーするか、保存先のフォルダーを選択でき、デスクトップが散らかることがありません。
どちらのブラウザーも、重なる機能と独自機能があります。スクリーンショットをたくさん撮る方なら、Firefox に直接組み込まれているこの便利な機能は手放せなくなるでしょう。ただネットサーフィンやショッピングのための高速かつプライベートなブラウザーを求めているだけでも Firefox を試してみてください。特に、コンピューターの既定のブラウザーでついてきているという理由で Safari だけを利用している方にお勧めします。どちらがニーズに合っているかお分かりいただけるでしょう。
ポータビリティ
ポータビリティ | ![]() |
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OS 対応 | ||
モバイル OS 対応 | ||
モバイルと同期 | ||
パスワード管理 | ||
プライマリパスワード |
Firefox と Safari は、いずれもデスクトップ⇄モバイルを行き来するブラウジングがシームレスです。Safari では, その強みの一つは連続性です。ブックマークやタブ、履歴などを iCloud に同期し、すべてのデバイスで利用できます。つまり、iPhone でタブを開き、クリック 1 つで macOS のノートパソコンにも表示させることができます。
Firefox も同様の同期機能を提供しています。無料の Firefox アカウント アカウントに登録すると、ブックマークや閲覧履歴、設定、パスワード、入力済みのフォーム、アドオン、複数のコンピューターで開いていた 25 個までのタブを簡単に同期できます。Firefox が Safari と違うのは、あらゆるデスクトップまたはモバイルのプラットフォーム、iOS、Android、Windows、macOS で利用可能であることです。所有しているすべてのデバイスのポータブル性が飛躍的に高まります。
iOS および Android 用 Firefox アプリは、最速級のブラウザーであると同時に、堅牢なセキュリティとトラッキング防止機能も備えています。ノートパソコンとモバイルデバイスを日常的に切り替えて使用している場合は特に有用です。
Safari は Apple 独自のウェブブラウザーであるため、iCloud 同期は Apple 製品でしか動作しません。これは可能性を限定させる場合があります。例えば、Android と iPhone の 2 台持ちである場合、仕事に Windows PC 、プライベート用に iPhone と使い分けている場合などです。
全体的な評価
Safari は、Apple ユーザーであり、複数の Apple デバイスを使用している場合であれば、とても優れたブラウザーです。Firefox は、Safari と同様の高速かつ実用的なブラウザーですが、プライバシーとプラットフォームを問わない互換性が選択の決め手となります。Firefox は、毎月更新して新しい機能を追加しています。例えば、最近のアップデートでは、新規ユーザーのために強化型トラッキング防止 (ETP) を既定で有効にし、Cookie やクロスサイトトラッカーなどを効果的にブロックします。
最後に大切になるのは、ユーザーがブラウザーに求めているものです。ユーザーが Apple のエコシステムと合致しているなら、Safari も適切でしょう。一方、最新かつ最高のプライバシー保護を重視し、複数の OS で作業したい場合は、Firefox をお勧めします。また、Firefox は、Apple だけを利用しているユーザーのサブブラウザーとしても堅実です。プライバシー保護を一層強化したいときにブラウザーを切り替えるなどの使い方ができます。
ここで実施された比較は、初期設定で以下のブラウザーリリースバージョンを使用しています。
Firefox (81) |
Safari (14)
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