Mozilla コミュニティ参加ガイドライン

バージョン 3.1 — 2020 年 1 月 16 日更新

Mozilla の中核には人間があります。Mozilla は人間を優先し、世界各地からの当団体への貢献者の多様性を認めて尊重するために最大限努力します。Mozilla プロジェクトでは、私たちのコミュニティ内における私たちと目標を共にする人々の健全で建設的な貢献を、すべて歓迎します。したがって、Mozilla では、全員が安全で積極的なコミュニティのエクスペリエンスを創出するために、本行動規範を採用し、コミュニティ参加ガイドラインに同意し、それを順守することを参加者全員に求めています。

このガイドラインは、次に挙げる項目を問わず、全ての人々が安心して参加し、新しいアイデアを提案し、他の人々にインスピレーションを与えるコミュニティを支援することを目的としています。

  • 経歴
  • 家柄
  • 性別
  • 性同一性・性別表現
  • 婚姻関係
  • 性別
  • 性的指向
  • 母国語
  • 年齢
  • 能力
  • 人種・民族性
  • カースト
  • 出身国
  • 社会経済的地位
  • 宗教
  • 地理的な場所
  • その他の事項に関するあらゆる多様性

Firefox の開発から協力による設計カリキュラムまで、私たちの作業の中核となる側面は、率直・協働・参加です。私たちは多様性を強みとし、多様性を向上させる人々の参加を積極的に求めています。このガイドラインは、多様な人々やグループが、相互の利益のために対話し、協力することを可能とするために存在します。本書では、要求される行動と禁止される行動の両方が定められています。

このガイドラインを適用する場合とその適用方法

このガイドラインでは、オフラインとオンラインにおける全ての Mozilla 関連の活動において、Mozilla コミュニティの一員として私たちに要求される行動を定めます。参加は、次に挙げるものを含めた Mozilla のすべての活動において、このガイドラインの順守を条件としています。

  • Mozilla の職場での就労。
  • 他の Mozillan やそれ以外の Mozilla 参加者とのバーチャルまたは物理的に同じ場所における共同作業。
  • 公開イベントにおける Mozilla の代表者を務めること。
  • ソーシャルメディア (公式アカウント、スタッフのアカウント、個人のアカウント、Facebook ページ) でMozilla の代表者を務めること。
  • 事業所外や研修で Mozilla に参加すること。
  • Mozilla に関連する討論会やメール送信リスト、wiki、ウェブサイト、チャットチャンネル、バグ、グループミーティング、実際の会議室での会議、Mozilla 関連の通信への参加。

このガイドラインは、Mozilla 従業員の保護と義務を定めた、私たちのハラスメント・差別禁止方針[1] と組み合わせて適用されます。ハラスメント・差別禁止方針は具体的な法令に基づく定義と義務により策定されています。

これらのガイドラインや行動規範は、特に Mozilla の作業とコミュニティを対象とするものですが、Mozilla のオンラインスペースや実際に人の集まるスペース以外での行動でも、コミュニティの健全性に大きな影響を及ぼし得ることを認識しています。(たとえば、以前 Mozilla 以外のフォーラム内のMozilla の従業員を標的とする匿名の投稿を、Mozilla コミュニティからの追放の明白な根拠として認めました。)これは多様性と門戸の広さに関して現在討議中の問題です。Mozilla では、適切な境界に関して、コミュニティ内での広汎にわたる討議を期待しています。

要求される姿勢

Mozillian に要求される姿勢は、次の通りです:

他人を尊重すること

お互いのアイデア、スタイル、考え方を重視しましょう。お互いに合意できない場合もありますが、意見の相違はマナーの悪さの言い訳として認められません。様々な可能性を受け入れ、誤りに寛容な態度で臨みましょう。とくに様々な選択肢の利点について討論中の場合など、対話や連絡においてお互いを尊重しましょう。自らの影響力や、白熱した対話が人々に及ぼす影響について注意すしましょう。率直かつ建設的・前向きな姿勢で臨みましょう。自分が与えた影響や誤りについて責任を負うこと。自分の発言・行動が誰かに危害を加えた場合、注意して話を聴き、素直に謝罪し、その後の姿勢を正しましょう。

率直であること、また職務に相応しい姿勢で臨むこと

批判が他者を尊重しているかどうか、それはどのような場合か、批判が他者を尊重していないのは、どのような場合かについて、討議することがあります。私たちは、反対する時や改善する必要があると考えている時は、率直に意見を述べることが可能である必要があります。真実を包み隠してはなりません。意見を率直に述べるのは困難です。他人が自分の率直な意見を聞いていないと考えられる場合は、なおさらです。そして、そうした意見を聴くのは、それにも増して困難です。私たちは正直・率直でありつつ、他人を尊重する必要があります。

門戸を開く

様々な見解を求めましょう。チーム内の見解や人々の多様性は、常に快適であるとは限りませんが、イノベーションの原動力となります。意見を述べることを奨励しましょう。新たな視点を述べるのを支援し、それを積極的に聴きましょう。とくに討論で自分の発言が多い時は、自分の発言を抑制して他者が発言しやすくするのが重要です。グループ内で発言が多いメンバーの発言がどの程度の時間を占めているかに注意しましょう。意見を述べて参加する別の機会を設けましょう。

次に挙げる各項目の状況如何を問わず、全員を尊重し、全員の会話への参加を促しましょう:

  • 遠隔地にいる (ビデオや電話で参加している)
  • 母国語以外の言語で参加している
  • 文化的に異なる地域出身である
  • 「彼」と「彼女」以外の代名詞を使用している
  • 在住地の時間帯が異なる
  • その他参加する上で問題がある

別の発言・参加方法を支援する方法を検討しましょう。会話で自分の発言が多い時は、自分の発言を抑制しましょう。他の発言の機会を設けて積極的に発言を聴きましょう。

異なる見方を理解する

意見の不一致や討論では、相手を論破することが目的であってはなりません。それよりも生産的な目的は、自分のアイデアを向上させるアイデアを柔軟に受け入れることです。寛容な考え方の規範となるよう努力しましょう。様々な考え方により自らの作業が豊かで強いものとなったとき、それが成果であるといえるでしょう。

共通点と相違点の両方を尊重し、考慮する

Mozillian の出身地の文化圏や経歴は様々です。文化的な相違点には、正式な宗教儀式や個人的習慣・衣服などがあります。各人の様々な文化的慣行・姿勢・信条を尊重しましょう。自分の偏見や先入観・差別的な姿勢を解消するよう取り組みましょう。他者のニーズを、その者の立場に立って考えましょう。本人が希望する敬称 (代名詞を含む) を使用し、適切な口調で会話しましょう。他者の権利とプライバシー、秘密を尊重しましょう。自分で調べるほか、他者と相互に教え、学び合いましょう。ありとあらゆる民族や文化について、その慣習を知ることをMozillian に要求するというのは非現実的ですが、各人が生まれ育った文化を相互に認識するというのは、前向きな交流の一環です。

リーダーとして、率先して有言実行する

他者は行動と発言が一致した者の指示に従うことを望みます。自分の行動は他者に影響を及ぼし、Mozilla の組織全体としての業績にとって有意義であり、それに相応しい姿勢と対応をさせることができます。自分のコミュニティと作業を門戸の広いものにしましょう。自分と他者に門戸の広い姿勢を義務づけましょう。Mozilla のミッションに最も有益な判断を行いましょう。

容認されない行為

本ガイドラインに基づき、次に挙げる行為は容認されません。

暴力、暴力の脅迫

オンラインでもオフラインでも、暴力や暴力の脅迫は容認されません。これには自傷行為を促すことを含めた、暴力の扇動も含まれます。また、これにはオンライン上に他者の個人情報を投稿する行為 (晒し) や投稿すると脅迫する行為も含まれます。

個人に対する攻撃

対立の発生は不可避ですが、決してフラストレーションから個人を攻撃することがあってはなりません。他者に対する侮辱や誹謗中傷を行ってはなりません。他者の意見や考え方、アイデアを原因としてその者を攻撃することは許されません。意見が一致しない場合や改善が必要な場合は、直接会話することが重要です。しかしそうした会話は相互に尊重し、職務に相応しい姿勢で、常に問題となっている事柄に重点を置いて行う必要があります。

軽蔑的な言葉

次の各項目に関する誹謗的・中傷的な言葉は許されません:

  • 経歴
  • 家柄
  • 性別
  • 性同一性・性別表現
  • 婚姻関係
  • 性別
  • 性的指向
  • 母国語
  • 年齢
  • 能力
  • 人種・民族性
  • カースト
  • 出身国
  • 社会経済的地位
  • 宗教
  • 地理的な場所
  • その他の属性

これには、ある者について、故意にその者が自ら認める性別とは異なる性別であるとしたり、個人の性同一性の正当性について疑ったりすることも含まれます。ある言葉が軽蔑的であるかどうか不明な場合は、その言葉を使ってはなりません。これには、微妙ないし間接的な差別を反復的に行うことも含まれます。止めて欲しいと言われたら、その行為をやめましょう。

迷惑な性的関心・身体的接触

迷惑な性的関心・身体的接触は許されません。これには対話や連絡、プレゼンテーション資料に含まれる性的な発言や冗談、画像等、および不適切な接触や性的勧誘も含まれます。さらに、毛髪や妊娠中の腹部、移動補助器具 (車椅子やスクーター等) 刺青を含め、他者に許可なく接触する行為は許されません。これには、他者に対する物理的な妨害や脅迫も含まれます。肯定的同意を得ていない身体的な接触や 身体的な接触のシミューレション (「キス」の絵文字等) は認められません。性的な画像や文の共有や配信は認められません。

妨害的行為

会話やプレゼンテーションを含め、イベントやフォーラム、ミーティングの継続的な妨害は認められません。これには次の項目が含まれます:

  • 話の腰を折ったり、話者を質問攻めにする行為。
  • アルコール飲料を飲み過ぎたり、嗜好用薬物を摂取し過ぎたり、他者にそれを勧める行為。
  • アルコール飲料等の薬物を断っている者に対する中傷的発言や、そうした者に飲酒を勧めること、そうした者の禁酒や嗜好について話をしたり、物理的に、あるいは中傷により、そうした者に飲酒するよう圧力をかけること。
  • その他群衆の行動によりセッションに敵対意識を生み出す行為。

禁止行為を挑発する行為

Mozilla では、禁止行為を挑発する行為も、その禁止行為に準じて対処します。したがって、挑発する行為にも禁止行為と同じ処分が適用されます。

禁止行為の処分

意志決定権限を付与された者も含め、Mozilla のボランティアおよび職員による悪質な行為は容認されません。Mozilla から意図的に他者を排斥しようとする行為 (ガイドラインに関する処分の一環である場合やその他の正式な処置の場合を除きます) は認められず、そうした行為は適宜対処されます。

嫌がらせ・差別に関する報告は、スペースやイベント、活動の安全担当者により迅速かつ徹底的に調査されます。そうした問題に対処するために、適切な処置をが講じられます。

許されない行為を止めるよう指示された者は、その指示に直ちに従う必要があります。本ガイドラインに違反した者は、イベントやオンラインスペースからの一時的またはイベント期間を通して退出するよう命じられたり、スペースへの参加が禁止されたり、あるいはその後のイベントや活動への参加が永続的に禁止されたりする場合があります。

Mozilla のスタッフは、本ガイドラインに加え、Mozilla のスタッフの嫌がらせ・差別禁止に関する方針 [1] に関する責任を負います。本ガイドラインに違反した Mozilla のスタッフは、懲戒処分や、最も重い処分として解雇など、追加の処分対象となる場合があります。請負業者またはベンダーが本ガイドラインの違反した場合、契約の継続・更新に影響を与える可能性があります。

また、報告手続を悪用した参加者は本ガイドラインに違反したものとみなされ、同等の処分の対象となります。とくに脅迫や追放を目的とする虚偽の報告は許されません。

報告

上記の許されない行為を受けていると考えられる場合は、 cpg-report@mozilla.com に報告してください。報告の優先度は、コミュニティ参加ガイドラインの対応担当リーダーにより判断されます。

報告者の概況説明を受領した後、リーダーはそれを検証して次の処置を決定します。リーダーは、調査の実施に加えて、個人的な相談や他のコミュニティリソースなど各種リソースを提供する場合があります。リーダーは、他の同僚や社外専門家 (法律顧問等) を適宜関与させ、各問題に適切に対処します。

また、危険性のある問題や、深刻な問題に困窮している人や、本ガイドラインの違反を見かけた場合は、それが自分の問題でなくとも、Mozilla まで報告してください。

本ガイドラインに違反したという不当な嫌疑をかけられていると感じた場合も、この報告プロセスに従ってください。

Mozilla スペース

物理的・バーチャルの Mozilla スペースには、指定された連絡先を定めるものとします。

Mozilla イベント

Mozilla イベントには、すべてイベント内とオンラインに緊急連絡先や悪用対策の連絡先特定の安全ガイドラインを定めます。これらの連絡先はイベント中を通して確認しやすく掲示され、印刷物やオンラインの資料にも表示されます。イベントのリーダーは、イベントでガイドラインについて伝え、イベントに登録する際にガイドラインを確認して同意することを参加者に求めるよう、依頼されます。

報告した場合、受領通知がメールで送信されます。インシデントの調査が完了して決定した処置が当事者に通達された後、cpg-questions@mozilla.com にメールを送信してその決定内容に異議申立をする機会が全員に与えられます。

質問してください

あらゆる方々からの本ガイドラインに関する質問を歓迎します。イベントや活動を開催する際は、イベントや活動、スペースの門戸を広く開くためのヒントについて問い合わせてください。情報・意見は cpg-questions@mozilla.com までお気軽にお寄せください。情報・意見提供は必ず 24 時間 (週末の場合はその次の平日) 以内に返答されます。本書の更新については、この変更履歴で確認してください。

ライセンスとクレジット表示

本ガイドラインは クリエイティブ・コモンズ Attribution-ShareAlike license に基づいて配布されています。

本ガイドラインは、Mozilla のコミュニティ参加ガイドライン、 Ubuntu 行動規範、Mozilla の View Source Conference 行動規範Rust 言語に関する行動規範 (これらはすべて Stumptown Syndicate の市民行動規範に基づいています) を元にして改訂したもので構成されています。テクノロジーにおける LGBTQ に関する行動規範WisCon 行動規範 から抜粋した追加の文言。本書とそれに関連する全てのプロセスは、大勢の Mozillian の並々ならない取り組みがあって初めて実現されました。

本ガイドラインの改定

Mozilla は本ガイドラインを随時改訂し、また本ガイドラインに定めた手続を特定の場合に適宜変更することがあります。本ガイドラインを順守することに同意した場合、それは本ガイドラインの変更にも同意したものとされます。本方針はMozilla の従業員の雇用契約に含まれるものではなく、本方針には契約上の効力は一切ありません。

[1] 有給スタッフはこちらでハラスメント防止方針を閲覧できます。